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「運ぶ」から「設計」へ。梅の花グループに学ぶ 物流最適化と共同化の実像

「運ぶ」から「設計」へ。梅の花グループに学ぶ 物流最適化と共同化の実像

福岡県久留米市発祥の梅の花グループは、レストラン『湯葉と豆腐の店 梅の花』を全国で約80店舗展開するほか、デパ地下を中心としたテイクアウト店舗『古市庵』を200店舗以上出店するなど外食・中食の両軸で事業を広げています。
「花咲く食のひとときを提供する」という価値観のもと、食を通じて特別な時間を届ける同社にとって、その品質を支える物流のあり方は重要な経営テーマでした。

本記事では、物流改革を推進する株式会社梅の花グループ 物流部 部長 三井田浩二様にインタビュー。当社取締役の小島仁とともに、可視化から始まった物流改革の実像と共同化・最適化に向けた思いを語っていただきました。

課題

  • 安定供給を重視してきた一方で、さらなる効率化の余地があった
  • 事業環境の変化により、より柔軟で迅速な物流体制への移行が求められていた
  • 物流オペレーション全体の高度化に向けて、改善の余地が見られた

対策

  • 物流実態の可視化を起点に、全体最適の視点で在庫・物流体制を再設計
  • 外食チェーンの物流に強みを持つパートナー企業と連携し、保管から配送までを一体化した物流体制へ移行
  • 店舗の売上向上にも寄与することを目標に、改善サイクルの高速化とオペレーションの可視化を推進

物流可視化が導いた改革と北王GROUPとの出会い

―御社はレストラン・中食事業を幅広く展開されています。物流についてはどのような取り組みを行っていましたか。

三井田様:以前は「美味しいお料理をご提供したい」という思いが強すぎて、供給が最優先になっていました。
当時ならではの極端な例ですが、豆乳一本をヘリコプターで運んだりしたことも。

当社は久留米と京都、栃木県佐野市、山口市の4カ所にセントラルキッチンを構えていますが、コロナ禍の前までは飛行機を365日飛ばして食材を輸送していたのです。

―かなりの物流コストが発生していたように思えます。

三井田様:売上が上がっていればそれもいいと思いますが、コロナ禍で客数も売上も減っていたのに、コンテナを維持するために荷物がなくても水を運んだりしていました。

さすがにこの状況は適正ではないと考え、そのときに初めて物流実態の可視化に着手。
飛行機からトラックへ輸送手段を代えたのが2021年で、これが当社で行った物流改革の第一弾でした。

―可視化によって、どのようなことがわかったのでしょうか。

三井田様:積載効率です。それまでは委託先に依頼して輸送を行い、効率までは十分に把握できていませんでした。
ですが当社の荷物が年間でどれくらい動いていたかを可視化することで、非効率な点が見えてきたのです。

例えばトラック2台分とちょっと、つまり205%の荷物を運ぶため、言われるがまま3台使うイメージですね。

実際にセンターから工場への横持ち便も事前に3便設定されていて、2台目と3台目でどっちがどの荷物を載せるのかで揉めたりするのが日常的でした。

―現場ならではの大変なご苦労ですね。
 
三井田様:私は2019年6月から物流に携わりましたが、当時は工場も製造効率のみを重視し製造し、入庫していたので、ものすごい物量でした。

お稲荷さんの揚げを青カゴに入れてセンターへ入庫していましたが 、ある日、センターに青カゴで壁ができていまして。「御社の揚げですよ」と言われて唖然とした覚えがあります。

そんな実状もあって適正在庫を勉強させていただき、物流を見直す動きが徐々に始まっていったのです。

―北王GROUPとの出会いについて教えてください。

三井田様:きっかけは2024年、関東地区の倉庫閉鎖が決まったことでした。

当初はすでにお付き合いのあった事業者と継続取引を検討していましたが、倉庫をお持ちでなかったことが大きな課題となりました。
クロスドック業務の延長のような形で在庫を抱え、グレーな運用になりかけたのです。

当社のコンプライアンスにも関わる問題でしたが、そんなタイミングでお声をかけていただいたのが新規取引でいらしていた北王GROUPさんでした。

小島:お会いしたときには、すでに三井田さんが携わって川上の物流改革が進んでいました。

当社はどちらかというと川下の物流、つまり店舗配送が得意なので、それを物流会社の能力で調整できること、まだまだ改善の余地があることをご説明したところ、ご理解いただけました。

物流について非常に詳しかったので、今後の物流改革につながるヒントをご提示できたと思っています。

わずか2カ月ほどで物流体制を確立できた理由

―二人三脚で課題解決を目指したわけですね。

三井田様:ええ。センターの閉鎖が決まって半年しか時間がなく、継続取引の約款まで通していたなかでの変更でした。
実質2カ月ほどで物流体制を立ち上げたことになります。

当社もそうですが、北王GROUPさんもかなり綿密な対応が必要だったはずです。

また、それまで関東地区ではノンアセット型3PL事業者と協業していました。

しかし2024年問題の影響を考えた場合、北王GROUPさんのように車両を所持するアセット型の方が、危機対応時の柔軟性が高いと考えていました。
方向性が明確だったので、短期間でも経営層に合意形成を図れたと思っています。

―とはいえ、時間的な余裕もない状態で新規事業者に託すのは不安だったのではないでしょうか。

三井田様:小島さんが「大丈夫」と言い切ってくださったのが大きいですね。根拠があったかどうかはさておき(笑)、とても安心感を持てました。

物流はさまざまな仕組みや構造でできていますが、私はやっぱり人だと思うんです。

北王GROUPさんはとても実直に荷主と向き合ってくれて、強みも弱みも合わせてお客様のために取り組もうとする方針が、当社の「花咲く、食のひとときを。」というコアバリューに合っているように思いました。

小島:2カ月で当社を信じて任せていただいたのも、本当に膝を突き合わせていろいろなことを話せたからたどり着けたのだと思います。

三井田様:事実、北王GROUPさんの都心デポには驚くほど心が揺らぎましたし、関東地区で多くの物流拠点を展開され、我々の出店エリアと親和性もあったので心強かったです。

今でも輸送力、足回りの強さは、全事業所の組立でも北王GROUPさんが群を抜いていると思います。

―ちなみに御社の物流改革は、2026年4月に全面施行された物流効率化法を見据えた取り組みだったのでしょうか?

三井田様:現会長が2019年くらいから抜本的な物流改善に着目して、私の上席が足がかりとなり可視化を始めたのです。
そこに私が加わった形で、この頃から未来に向けた物流の効率化という動きは始まっていましたね。

物流は「運ぶ」から「設計する」へ―新たな価値を創造

―その後、北王GROUPのサービスを導入された印象はいかがですか。

三井田様:自社で車両や倉庫をお持ちなのは強いですね。
我々は事業規模が大きすぎず小さすぎずで、業態がいくつもあるにもかかわらず、すんなりとご対応されていることはすごいと思います。

それと先ほどお話した、お客様のために会社全体でやり抜く意志を感じています。

センター移管をした最初の日にお邪魔しましたが、仕分けが夜だったにもかかわらず社長様を始め役員が全員揃い、率先して指示する姿はとても印象的でした。
また、私は佐野工場で出荷を行うことがありますが、ドライバーさんがとても前向きなんです。挨拶もしっかりしていて気持ちがいいですね。

―導入後の数値的な成果という意味で、課題解決につながった例をご教示ください。

三井田様:2024年問題の影響で物流単価そのものは上昇していますが、北王GROUPさんは岩槻の物流センターに車両を保有しており、地場での柔軟な配車が可能な体制を構築されていました。

そのためコストやリードタイムの最適化につながると判断して、2025年12月に佐野工場と岩槻センター間の横持ち便を北王GROUPさんへ切り替えました。

運賃相場が上がっていても、仕組や構造でコストを抑えられる点は魅力だと思います。

荷主側として本当に必要な配送頻度や輸送の組替えをするべきときに、北王GROUPさんは関東圏での輸送網を生かした提案をしてくれるので、物流はコストではなく設計の問題だと認識しています。

小島:梅の花グループ様は外食チェーンでも百貨店や駅ナカが多く、我々の得意分野と若干離れている部分がありました。

また、工場から送られた製品を在庫品とクロスドックさせる作業も含めて難しく、最初は安定稼働させるまでにだいぶ時間がかかりました。

新センターで導入したシステムがマッチングせず、時間調整の設定や在庫商品のロケーション管理に不備があったのも事実ですが、梅の花様にもご協力をいただいて早めに安定稼働へこぎつけられました。

―どうやって解決につながったのでしょう。

小島:梅の花様が当事者意識をお持ちで、積極的に協力していただけたことです。

最終的には当社がコスト増をお願いせずとも効率性が高まり、双方でメリットが上がるケースが何回かの取り組みで実現できました。

―一緒に高みを目指そうとする、素晴らしい関係性ですね。とりわけ印象的なサービスはございますか?

三井田様:配送のオペレーション管理です。
LINEワークスを通してドライバーとの情報連携や納品時の写真記録を徹底されていて、トラブル発生時の追跡スピードが非常に速い点は大きな強みだと感じています。

LINEワークスの通知は一日に200~300通も来るそうですが、こうした確認作業のおかげで我々の商品が守られ、朝には店舗に届くわけです。

物流が難しい時代と言われますが、梅の花グループの物流は変わらずに維持できています。それが当たり前ではないことを、会社に浸透させないといけませんね。

―確かに物流も変わらざるを得ず、変革しても厳しい実状が増えたと思います。そんな時代ですから、一定水準を維持することにも大変な労力を伴いますね。

三井田様:ええ。ですが最適解はまだあるはずなので、両社がやりやすい方向で見出していきたいですね。
そのカギとなるひとつと考えているのが、イレギュラーの抑止です。

実は岩槻センターのメンバーと2週間に1度の定例会を開いていて、そこで今日「1年間でイレギュラーをなくそう」と話しました。

その原因は荷主側、岩槻センター側の双方に可能性がありますが、隠さずに言ってほしいと伝えたのです。
素早く情報共有ができれば対応力も最大化できて、高効率の物流が可能になると確信しています。

―定例会ではどのようなことが話されるのですか?

三井田様:2週間で起きた遅配や荷物の破損、入れ忘れなどを5W1Hでどう対処したかの共有です。
これを2024年の9月から継続していて、最初の1年はものすごい数のイレギュラーが発生していましたが、今期に入って40%減と改善が進んでいます。

今日も岩槻センターの担当者から「改善が進んで仕事をしやすいです」と、うれしい言葉をいただきました。

これができるのも、当社と北王GROUPさんの双方で情報共有し、改善を図っているから。お互いのひと工夫が、物流改善につながっているわけです。

北王GROUPと挑む、共同化と最適化が導く最適解

―今後、北王GROUPに期待したいことはございますか?

三井田様:荷主同士の連携はもちろん、物流センターを起点にした共同配送や在庫の共同最適化のような取り組みに挑戦したいですね。

例えばセンターに入っている砂糖でも荷主ごとに別品番・別棚で管理しているケースが多いのですが、実は製造元も製品も同じだったりする。
ここにはまだ大きな非効率があると感じています。

―具体的には、どのような場面でしょうか。

三井田様:先日の例ですが、岩槻センターでホタテが欠品した際、同一センター内の別拠点が在庫を持っていることが分かり融通できないかという話がありました。
結果的には実現しませんでしたが、実務レベルでは似たような荷物が同時間帯に五月雨式で入ってくることが多く、本来はこれをまとめて輸送・処理できればかなり効率化できるはずです。

北王GROUPさんは、荷物の集約や横展開が比較的柔軟にできると思いますし、実際に外食業界への強みを活かして他社展開の事例も出てきています。

こうした動きをハブとして設計できるのが理想で、北王GROUPさんが間に入る価値はあると感じています。

小島:我々の物流センターには外食チェーン店さんが数十店入られていますが、例えば同じ倉庫を使うメーカーでPB商品の横展開を広げるだけでも販売機会が増えるので、当社のセンターを活用して横のつながりを増やしていただきたいですね。

そうすれば当社の共同配送車の積載率も上がるわけですから、そんな機会を僕らもどんどん提案していくし、同じ目線で考えてくれる三井田さんが本当にうれしいです。

―最後に、今後の展望を教えてください。

三井田様:現状のオペレーションにはまだ無駄が多いと感じています。
ただ、それに気づかないまま安全優先で動いているケースも多く、本来は川上から川下までを一気通貫で計画的に流す仕組みづくりが重要だと思っています。

そのなかで、イレギュラーや不要な問い合わせを減らすための情報インフラ整備にも取り組んでいきたいですね。

―具体的には、どのような取り組みでしょうか?

三井田様:物流の枠にとどまらず、例えば共同化の提案や店舗配送まで含めた形で、より踏み込んだ動きも考えています。
場合によっては、私が北王GROUPさんの営業のような立場として「同じセンターで一緒にやりませんか」と提案することもできると感じています。

さらには購買領域にも踏み込むことでサプライヤーとの接点を持ち、最適な物流として北王GROUPさんを紹介するなど、新しい役割も担えると考えています。

従来の荷主管理の枠を越えて、一歩踏み込んだ関わり方に挑戦していきたいですね。

株式会社梅の花グループ
業種:外食事業、テイクアウト事業、外販事業
住所:福岡県久留米市天神町146
代表者:代表取締役社長COO 鬼塚崇裕
URL:https://www.umenohana.co.jp/


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