運輸・倉庫業を手掛ける、創業31年目の北王流通株式会社（黒田英則代表取締役・東京都北区）は、2020年4月、コロナウイルスの影響により従業員の家族の中で収入が途絶えるなど、厳しい経済状態に陥る方が出てくることを鑑みて、全従業員を対象としたコロナ緊急貸付制度を創設しました。制度利用を希望する従業員の平均賃金の30％を上限に、無利子融資を行う制度で、「必ず雇用は守り、一人も退職者を出さない」ことを目的に取り組んでおります。

制度運営責任者はこのように言っています。
「当社の主たる納品先である飲食業界の方々の苦労は想像を絶するものがあります。その飲食業界への食材供給を主たる業務としている当社と当社が属する食品物流業界、中でも外食チェーン店舗への物流を担っている同業者さんたちも、皆一様に苦闘しています。コロナが収束し回復後、当社がまたお客様の基盤として通常通り機能できるよう、現従業員さんの雇用を守るため役員報酬の減額、また無駄のない徹底的な配送コース削減とシフト調整を進めていますが、従業員の皆さんには、それが収入減少という形で表れている事は間違いありません。そこで少しでも従業員さんの生活を支えるべくこの制度を創設しました。」

また、実際の現場を統括しているマネージャーはこのように言っています。
「コロナウイルス感染症拡大に伴う売上減少の状況下でも従業員の雇用を守るため、最低限の仕事時間、業務調整等を実施しています。雇用を守ることは出来ますが、残念ながら割増賃金部分の減少によって給与が通常月よりも減ってしまいます。家族を養っている方も多くいらっしゃいますので、この制度は助かるという声も従業員さんから聞いています。コロナウイルスによる先行きの不安に誰もが悩んでいますが、こうした制度の取り組みや実施の積み重ねが従業員さんを大切に考える社風の表れであり、また従業員さん一人ひとりにもそれを感じてもらえると思います。そういった企業こそが逆境を乗り越え永続できる会社になると感じております。国の人口が激減しているわけでもなく、外出自粛の中、人々の食べる場所が変化しているだけですので、当社のメインのお客様である飲食店様も必ず近い将来回復の局面を迎えます。来るべきその時に、対応できる体力を個人としても会社としても備え、今回の苦境を乗り越えていきたいと思います。」

今後も当社の経営理念「安心をつなぐ食品流通イノベーター」を体現していけるよう、企業努力を続けていきます。